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日本の口蹄疫消毒薬殺処分

2017

口蹄疫殺処分方法アンケート

2017年2月22日、各自治体に対して、以下の口蹄疫殺処分方法に関するアンケートを送付いたしました。このアンケートは2015年12月3日に行った「口蹄疫殺処分における消毒薬使用の廃止、麻酔薬導入の要望」に対するその後の進捗状況を調査するものです。

 

口蹄疫殺処分方法 都道府県アンケート

 

平成29年2月22日

  

各都道府県知事 殿

御担当課    殿 

 

要望団体

 

太郎の友

北海道動物保護協会

一般財団法人日本熊森協会

生命体虐待防止フォーラム (Voice For Animals.韓国)

プラーナ

PEACE〜命の搾取ではなく尊厳を

NPO法人アニマルライツセンター

動物たちと共に W.A.A..

アニマルライツフォージャパン(Animal Rights for JAPAN.オランダ)

あしたへの選択 Choices for Tomorrow (CFT)米国

いきもの多様性研究所

公益財団法人動物環境・福祉協会Eva

CAPIN(NPO法人動物愛護を考える茨城県民ネットワーク)

 

アンケート項目

 

1.口蹄疫殺処分に際し、パコマ消毒薬殺処分方法を廃止し、国際規約に従って麻酔薬による安楽死方法を導入することはできますか?
 

  • 消毒薬殺処分方法から、麻酔薬を用いた苦痛のない殺処分方法への変更を決定している。

  • 国に殺処分方法の変更、麻酔薬備蓄を要望している。(予定を含む)

  • 国が麻酔薬を用意する場合のみ変更できる。

  • 国の指示がある場合のみ変更できる。

  • その他。

  • 今後も麻酔薬を使用せず消毒薬殺処分を実施する可能性がある。

  • 麻酔薬使用への変更の予定はない。

 

 変更しない理由、消毒薬を使用する可能性がある理由と、その正当な根拠はどのようなものでしょうか?

(付記 : 従来パコマ消毒薬から麻酔薬に変更した場合「迅速な殺処分ができない」という理由が挙げられていました。しかし理論的には、ほぼ同一作業・同一行程の両者の殺処分時間はほぼ同一と考えられます。さらに苦痛で暴れる怖れがないため作業者にも安全であると考えられます。また消毒薬を用いる場合は、消毒薬が静脈から外れた場合は動物はより長く激痛を受けることになります。反対に、麻酔薬が静脈から外れた場合は「死なない」という結果に過ぎませんがやり直しが可能です。しかし、この「やり直しを行わなければならない」ことが麻酔薬を使用しない理由になっているとすれば、2010年の消毒薬殺処分は筋肉内注射・皮下注射によって殺処分される極めて凄惨な状況であったということができます。従って消毒薬接種は作業者に危険が伴っており、この点でもOIE規約違反であり、さらに動物福祉上は著しい国際規約違反と見なされます。このような背景の中で、麻酔薬より消毒薬の方が適切であると判断される理由・根拠はどのようなものでしょうか?また麻酔薬投与方法が消毒薬投与方法よりも著しく時間が掛る・作業に支障があるとする科学的根拠はどのようなものでしょうか?)





【備考】進捗状況、上記選択の理由、その他

 

 

 

 

 

2.上記回答で、今後もパコマ消毒薬使用の可能性がある場合、パコマ消毒薬ー組成名[モノ、ビス(塩化トリメチルアンモニウムメチレン)]ーアルキル(C9-15)トルエンーに麻酔作用があり、クラーレ様作用、溶血作用、蛋白凝固作用がはじまる前に、動物が深麻酔状態に至り、かつ投与に際して苦痛がないとする科学的証明はどのようなものですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

3.農林水産省、環境省、厚生労働省及び地方自治体等が相互に協力し、緊急時に麻酔薬が不足しないよう麻酔薬を準備・備蓄する体制を早急に整えることはできますか?

  • 麻酔薬備蓄の準備をしている。(調査のみを含む。他府県との協議のみ、国との協議のみを含む。)

  • 備蓄想定本数(1本/100ml)は何本でしょうか?

  • 未着手。検討中。

  • 備蓄体制を整える予定はない。

    【備考】進捗状況、未着手・検討中の理由、予定しない理由、その他

 

 

 

 

4.炭酸ガス殺処分時には、方法により酸欠による激しい苦痛を動物にもたらすことが明らかになっています。宮崎県口蹄疫殺処分時においても複数の苦痛による騒乱が報告されています。次回の口蹄疫殺処分において炭酸ガス殺処分を予定されますか?

  • 予定している。

  • 検討中、状況により用いる可能性がある。

  • 予定していない。

 

予定している場合、及び検討中、状況により用いる可能性がある場合 : その炭酸ガス殺処分方法はどのようなものですか?その方法が苦痛を与えないとする科学的立証はどのようなものですか?-79℃の噴射式スノーホーンが豚を怯えさせていないとする科学的証明はどのようなものですか?





【備考】

 

5.殺処分に際して以下の国際規約等を遵守することはできますか?またその主旨を「都道府県口蹄疫防疫マニュアル」「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」等に記載することはできますか?(遵守・記載できる場合にチェック)

  • OIE規約(7.6.1条)一般原則「動物が防疫目的で殺処分される場合、用いられる方法は、即死もしくは即時の意識喪失状態のまま死ぬという結果になるべきである」を遵守することはできますか?

  • OIE規約(7.6.1条)一般原則「意識喪失が瞬間的に起きない場合、意識喪失への誘導は、嫌悪を起こさせない,あるいは動物の嫌悪が出来る限り最小限に押さえられるものであるべきである。動物に避けられるべき不安、肉体的苦痛、疲労や精神的苦痛をもたらしてはならない」を遵守することはできますか?

  • 平成23年農林水産大臣公表「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」第6「鎮静剤又は麻酔剤を使用するなど、可能な限り動物福祉の観点からの配慮を行う。」を遵守することはできますか?

  • Scientists Center for Animal Welfare (SCAW)苦痛分類カテゴリーEにおける記述「手術する際に麻酔薬を使わず,単に動物を動かなくすることを目的として筋弛緩薬あるいは麻痺性薬剤,例えばサクシニルコリンあるいはその他のクラーレ様作用を持つ薬剤を使うこと(解説19)。麻酔していない動物に重度の火傷や外傷をひきおこすこと(解説20)。精神病のような行動をおこさせること(解説21)。家庭用の電子レンジあるいはストリキニーネを用いて殺すこと(解説22)。避けることのできない重度のストレスを与えること。ストレスを与えて殺すこと(解説23)。カテゴリーEの実験は,それによって得られる結果が重要なものであっても,決して行ってはならない。」に準じて殺処分を実施することはできますか?

  • 国立大学動物実験施設協議会記述「動物実験処置の苦痛分類に関する解説」の中で、筋弛緩薬あるいは麻痺性薬剤,例えばサクシニルコリンあるいはその他のクラーレ様作用を持つ薬剤の使用に関して「全身麻酔などの適切な処置が施されていなければ使用してはならない。筋弛緩薬だけを用いて動物を不動化することは認められない。これらの薬剤が麻酔薬と併用して使用される場合には,麻酔の深度が適切に保たれるように注意しなければならない。」に準じて殺処分を実施することはできますか?

  • 米国獣医学会AVMAによる「安楽死に関するガイドライン2007」神経筋遮断薬について記述「単独で用いた場合、意識を消失する前に呼吸を抑制する。そのため運動能力を消失後に動物は疼痛及び苦痛を感じる。」として不適切な安楽死の手段としています。また第4級アンモニウム塩であり家庭用薬剤であるパコマ消毒薬を用いることについて「家庭用薬剤と溶剤」のカテゴリーにおいて不適切な安楽死の手段と明記しています。これらの基準に従って単独で神経筋遮断薬、第4級アンモニウム塩、家庭用薬剤、パコマ消毒薬を用いることなく、意識消失後に殺処分を実施することはできますか?

  • 日本国内ではすでに1980年の段階で内閣官房管理室監修「実験動物の飼養及び保管等に関する基準の解説」において、クラーレ様作用を持つ薬剤の使用に関して「サクシニールコリンクロライドのような筋弛緩剤を用いることは、動物が眠るように倒れるけれども、意識消失を伴っていないので不適当である。」と規定しています。この基準に従って、意識消失前にクラーレ用作用を持つパコマ消毒薬を用いることなく殺処分を実施することはできますか?

  • 現在の日本の国内法である「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づく告示第105号「動物の殺処分方法に関する指針」では動物の殺処分時の基準として「当該動物を意識の喪失状態にし、心機能又は肺機能を非可逆的に停止させる方法による」とあります。この基準に従って意識喪失後に殺処分を実施することはできますか?

  • AVMAガイドラインは、安楽死に際して困難な状況が生じている場合でも「 動物の生命を奪う際には、可能な限り疼痛あるいは苦痛を最少限にするよう、個々の責任として求められている倫理的な基準を引下げたり、矮小化してはならない。」としています。この原則を遵守することはできますか?

    【備考】

6「都道府県口蹄疫防疫マニュアル」「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」等において、OIE国際獣疫事務局陸生動物衛生規約、AVMA米国獣医学会ガイドライン等の国際規約に準拠する適切な安楽死方法、及び不適切な安楽死方法を記載するなどの改訂を行うことはできますか?

  • 改訂する予定である。

  • 検討中

  • 改訂しない

    【備考】進捗状況、検討中及び改訂しない理由、その他

 

 

 

 

7.殺処分に際して以下の動物福祉上の留意点を実施することはできますか?また「都道府県口蹄疫防疫マニュアル」「口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針」等への記載はできますか?(実施・記載できる場合にチェック)

  • 宮崎県口蹄疫殺処分時にはOIE規約が示す殺処分時の記録簿が存在していません。殺処分に際して一頭毎に記録簿を作成することはできますか?

  • 宮崎県口蹄疫では殺処分時に鎮静剤を省いたままパコマ消毒薬が投与されるOIE規約違反が組織的に行われています。殺処分時に全頭への鎮静剤適量投与はできますか?

  • 鎮静剤と麻酔薬投与後、併用可能薬剤投与の前に、動物が深麻酔状態、意識喪失状態に至っていることの確認体制を整えることはできますか?

  • ワクチン・鎮静剤・麻酔薬・その他併用可能薬剤投与時に、注射時の興奮と不安及び苦痛軽減のためサフィード延長チューブの使用、及びその事前の準備はできますか?

  • 一頭毎に針の交換はできますか?

  • 宮崎県口蹄疫殺処分時には、蘇生した動物を板を使って埋設穴に追いやって圧死させる報告があります。蘇生した動物をそのまま埋設穴に追いやることは「動物の愛護及び管理に関する法律」の虐待に当たり刑事罰の対象であることを作業マニュアルに明記し、生きたまま埋設穴に投棄する行為、追いやる行為を絶対に行わないように実働演習による教育を実施することはできますか?

  • 殺処分作業終了時に、気絶状態、麻痺状態、蘇生などが生じ、そのまま埋設穴に投棄され圧死、窒息死がないように、一頭毎に脳幹反射消失の確認体制を整えることはできますか?

  • 炭酸ガス殺処分時において生きたまま埋設穴に落とし圧死する事例が報告されています。生きたまま埋設穴に落とす行為を禁止することはできますか?

  • 炭酸ガス殺処分において生きている豚の上に直接コンパネを置き、上から作業員が乗ることで豚の脱出を防止することが行われています。この方法を廃止することはできますか?

  • 炭酸ガス殺処分において生きている豚の上にブルーシートを被せ、上から豚移動用ケージを載せることで豚の脱出を防止することが行われています。この方法を廃止することはできますか?

  • 炭酸ガス殺処分時には、様々な日齢・月齢のブタを混ぜて実施することで、もがき苦しむ母豚の体重で幼若豚が圧死する事例が報告されています。この方法を廃止することはできますか?

  • 炭酸ガス殺処分時に、様々な日齢・月齢の動物を混ぜて実施することで、日齢・月齢により炭酸ガスの効果が異なることから動物に激しい苦痛をもたらすことが明らかになっています。この方法を廃止することはできますか?

    【備考】

 

 

 

8.口蹄疫防疫作業において、安楽死に関する動物福祉上の専門的知識を有する専門職を現場毎に配置することはできますか?またその実働演習を実施することはできますか?

  • 安楽死に関する専門職を現場毎に配置する予定である。

  • 安楽死に関する専門職を配置した実働演習を実施する予定である。

  • 検討中

  • 安楽死に関する専門職を現場毎に配置するつもりはない。

    【備考】進捗状況、検討中及び配置しない理由、その他

 

 

 

 

9.動物の殺処分に際し、国民がその方法を実施前に確認できる制度、動物福祉上の適切な殺処分方法が用いられるかどうか検証できる制度、国際規約上不適切な方法が用いられる場合に国民の求めに応じて改善を可能とする制度、及び実施後に検証できる制度を、殺処分に反対する人々も含め国民とともに、整えることができますか?

  • 制度を整える予定である。

  • 検討中

  • 整えない

    【備考】進捗状況、検討中及び制度を整えない理由、その他

 

 

 

10.上記以外で、動物福祉上の問題点に関してこれまで、従来の方法から改善を行った点、あるいは今後改善を検討している点などがございましたらお知らせください。

 

​以上、アンケートへのご協力誠にありがとうございました。


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